アート作品をインテリアに取り入れるって、少しハードルが高いような気がする……。そんな方に向けて今回は、アートや伝統工芸品を現代風のグラフィックデザインと融合させ、新たなアプローチで雑貨を展開する、「BRICK & MORTAR(ブリック アンド モルタル)」をご紹介します。手軽に暮らしに取り入れられる「アート」の数々に触れてみましょう。
中目黒の駅近くにお店を構える「BRICK & MORTAR(ブリック アンド モルタル)」。食器や生活雑貨、アートなど、暮らしを彩る品々を取り扱います。でも、このお店に並ぶ商品には、ほかとは一味違う工夫やアイデアが込められているんです。そんなお店の世界観や想い、今すぐ取り入れられる一人暮らしにおすすめの商品を、「BRICK & MORTAR」の運営元である村上美術株式会社・広報PRの森北さんに教えてもらいました。
BRICK & MORTARのプロダクトに込められた「アートを身近に」という想い
BRICK & MORTARの店内には、食器や服、アートなど幅広いジャンルの商品が陳列されています。主にお店で取り扱うのは、「amabro(アマブロ)」というオリジナルブランドの商品。「アートをプロダクトとして提案することで、もっと身近に感じてもらいたい」と思い、さまざまな商品が作られたのだそうです。
森北さん
アーティスト活動も行っている弊社の代表・村上周により、amabroが生み出されました。アート作品をギャラリーに購入しに行くのは少し敷居が高い、と思う方も多いと思います。そんな方々に気軽にアートに触れていただけるのがamabroの商品です。普段なじみがないものや歴史ある工芸品に、現代のグラフィックデザインを組み合わせて、今のライフスタイルに合う形でお客様に提案しています。
大きな作業台はBRICK & MORTARの原点であり発信地
店内には、大きな作業台があります。実はこれ、実際にここで制作を行うためのものなのだそうです。タイミングが合えば、新たな商品を生み出す工程や、Tシャツにシルクスクリーンプリントをする様子を実際に見ることもできるのだとか! 気軽に作り手との会話を楽しむことができ、作品に込められた想いを直接感じることができます。
森北さん
通常であれば、ひとつのプロダクトがお店に並ぶまでには、制作に数年かけ、展示会でお披露目、店舗に卸売り……などいくつかのフローを踏むため、お客様の手に渡るまでには数年かかることが多いです。しかし当店では、店舗裏のオフィスや店内の作業台で制作した、amabroの試作品や代表が描いたアート作品を、すぐに店頭に出しています。作り手の想いや世の中のトレンドがリアルタイムに反映された作品を発信することで、「鮮度」をもってみなさんに見ていただくことができると思うんです。世界で一番最初にamabroの商品や村上周のアート作品をお披露目できる場所として、BRICK & MORTARがあるんですよ。
また、BRICK & MORTARでは年数回、アーティストやスポーツ選手など、幅広い業界で活躍する人とのコラボエキシビジョンを開催しています。そのときには、なんと商品をすべて片付けて店内を展示会場にするのだとか! お店が、今伝えたいもの、作りたいものを新鮮なまま届けるために、大胆な変身をすることにも迷いがないBRICK & MORTAR。型にとらわれないお店のスタイルや、次々生み出される新しい商品の数々にワクワクすること間違いなしです。
今までにあったものを利用して、今までにない新しいものを作る
amabroでは、伝統工芸品とのコラボ作品も数多く制作されています。
森北さん
日本の伝統工芸品は、美術品として世界中の人々から高い評価を受け、長く愛されています。そんな「作品」を、気軽に使える生活雑貨として取り入れるには、少しハードルが高いと思ってしまう人もいるかもしれません。私たちは、そんな伝統工芸品を今のライフスタイルに合ったものへと変身させて、新しい形でよさを継承していきたいと思っています。そして、伝統の技を生み出した方や職人さんへのリスペクトを忘れない、ということを常に心がけています。
ここで、amabroの作品の中でも、特にBRICK & MORTARの世界観を象徴する商品をご紹介します。
古風な「豆皿」は、金一色で現代風に大変身
こちらは、約400年の歴史を持つ「有田焼」の豆皿。ユニークな形状がかわいらしいですね。元禄時代から愛されてきた形と下絵をそのまま復刻したものに、金の上絵をのせています。この金の上絵はamabroオリジナルのアイデアで、お皿の形や柄によってデザインが異なるんです。
森北さん
有田焼に新たなデザインが加わることで、“和”だけではない魅力を持つ商品になりました。オリーブオイルやジャムをのせて朝の食卓に置いてもかわいらしいし、アクセサリー入れにしても斬新でおもしろいかもしれませんね。
市場に出回らない作品だから「価格はあなた次第」
店内を見回すと、「価格はあなた次第」という驚きの文言が目に入りました。こちらは、細かな傷などで市場に出回らなくなってしまったB級品を陳列し、お客さん自身に値段を決めてもらうという企画商品です。
森北さん
こういった磁器や陶器の商品は、一般のお客様は気が付かないような傷が入るだけで、B級品扱いになってしまいます。ですが、作品ひとつひとつに込められた作り手の想いは同じ。使用感にもまったく問題はありません。市場での価値は下がってしまったけれど、丹精込めて制作された商品に対して再びお客様に命を吹き込んでいただきたいと思っています。
斬新なアイデアで暮らしにアクセントを! 一人暮らしにおすすめの商品
トレンドやアイデアが存分に盛り込まれたBRICK & MORTARの商品。そのなかから、一人暮らしにおすすめの商品を教えてもらいましたよ。ほかのお店ではなかなかお目にかかれないBRICK & MORTARの個性を取り入れて、あなたらしいお部屋作りを楽しみましょう!
使い慣れたレジ袋をサスティナブルに変身させた「エコバッグ」
近年はSDGsなどが話題となり、一層環境問題が身近に。それに伴い施行されたレジ袋の有料化で、レジ袋を使う頻度は少なくなってきていますよね。しかし、今まで何年も生活のそばにあったレジ袋の形状は、シンプルでありながら使いやすいよう考え抜かれた、素晴らしいもの。そんなレジ袋のデザイン的な秀逸さを踏襲して開発されたのが、こちらのエコバッグなんです。
森北さん
使い慣れたレジ袋の形を受け継いでいますが、DAILY SHOPPERの素材には丈夫でダイオキシンが発生しないTPUを使用しています。環境を考慮しつつ、ファッショナブルな色合いで普段使いできるような商品を目指しました。表と裏で色が違うのもポイントです。容量が大きく耐久性もあるので、メインバッグとして使うこともおすすめしているんですよ。CONVENI BAGはメッシュ素材で、地面に置いても砂や水がつきにくいのでレジャーにも適しています。
カラバリ豊富、ハンサムなたたずまいの「ツートーンシリーズ」
カラーガラスとミルクガラスを組み合わせた、遊び心のあるデザインのマグとカラフェ。ビビットな色づかいと優しい乳白色がマッチして、オールド感のある雰囲気を醸し出しています。
森北さん
「TWO TONE(ツートーン)シリーズ」で使用している2種類のガラスは、それぞれ溶ける温度などが違い、ひとつに組み合わせるのがとても難しいんです。でも、そこにあえて挑戦して、自分たちの作りたいものを形にするところがamabroらしさかな、と思っています。カラフェはフラワーベースとして使ってもかわいいですよ。耐熱でもあるので、温かい飲み物を入れていただいても大丈夫です。
“和”と“アメリカン”の融合で、食器にデザイン性と使いやすさを!
こちらのマグや食器は、「REGULAR(レギュラー)」というシリーズの商品。形状はアメリカのダイナーにあるものをイメージしています。でも、色づかいは、なんだかなじみのある感じがしませんか?
“和”と“アメリカン”が違和感なく調和して、食卓を柔らかく彩ってくれそうですね。
ムーミンと伝統工芸がミックスした「ムーミンプレート」
こちらの「ムーミンプレート」は、日本の伝統的な益子焼、九谷焼と、北欧で長く愛されるムーミンがコラボレーションした商品。よく見ると、どのお皿にもムーミンのキャラクターたちが隠れているんですよ。直径が13~15センチと、少し大きめのお皿で柄がかわいらしく、「飾っておきたい」と感じるかもしれません。ですが、「柄の余白にお饅頭などを置いて、ムーミンと遊んでみるのもおもしろいですよ」と、森北さんがおすすめしてくださいました。
森北さん
ムーミンたちはコミックやアニメのままの姿なのに、伝統の絵柄とよくなじんでいると思いませんか? 写真下にある九谷焼は、赤・黄・緑・紺青・紫の5色を使って、柄を豊かに表現しています。写真上にある益子焼は、ムーミンの小説の挿絵を絵付けした後、その上から釉薬を「掛け流し」と呼ばれる伝統的な手法で釉掛けしています。それにより生み出される落ち着いた色合いが、ムーミンキャラクターたちのシンプルさと程よくマッチしているんです。こちらのムーミンプレートに限らず、ほかにもいろんな窯元さんとコラボをして新たな商品作りをしています。
「好き」を探して集めて、自分らしいお部屋作りを
自分らしいお部屋を作りたいときは、自分が「好きだな」と感じるポイントを探りながら品物選びをするといい、と森北さん。
森北さん
自分が好きなアートやデザインをひとつ飾るだけで、より自分らしいお部屋になってくると思います。たとえば私は、映画館や美術館に足を運んでみて、自分が好きだと感じるものを積極的に探しに行くようにしています。そこで出会った好きなアーティストや映画のポスターなどを部屋に取り入れるんです。そんなふうに、自分の「好き」を中心にアイテムを集めると、ジャンルがバラバラになることもあるかもしれません。ですが、それこそが自分らしいお部屋のはず。楽しくお部屋作りをすることが一番だと思います。
まとめ
個性的なお部屋を作りたいと思っている人も、伝統工芸やアートに少しだけ興味がある、という人も、訪れるたびに姿を変えるBRICK & MORTARに足を運んで、作り手の方との会話を楽しんで。斬新なアイデアと、アートや伝統を取り入れた他にはない作品たちに、あなたもきっと夢中になるはずです。
取材協力
BRICK & MORTAR 中目黒店
【住所】東京都目黒区中目黒1-4-4
【TEL】03-6303-3300
【営業時間】12:00~19:00営業、土、日、祝定休日
※価格はすべて税込み
※商品は数に限りあり、完売する場合もあります
※この記事は11月時点の内容です
※営業日や営業時間は変更となる場合があるため、 お出かけ前に公式サイトにてご確認ください
※商品は数に限りあり、完売する場合もあります
※この記事は11月時点の内容です
※営業日や営業時間は変更となる場合があるため、 お出かけ前に公式サイトにてご確認ください