日々の生活で何気なく使っている食器や雑貨たち。それらがどんな場所で、どんな人の手によってつくられているのかご存知でしょうか? 作り手の思いや、歴史、背景を知れば、ものをより大切に使いたくなったり、愛着がわいたりして、生活もさらに豊かになるはず! 今回は、お店に並ぶ一つ一つの商品にストーリーが感じられる、「MIGRATORY(ミグラトリー)」を取材しました。
中目黒駅から徒歩5分ほどのところにある「MIGRATORY(ミグラトリー)」。「日々の暮らしに彩りを添える」をコンセプトに、店内にはインテリア雑貨、器、レディースものの洋服まで、さまざまな商品が並びます。今回は店主の平岡さんに、お店に並ぶ商品の魅力や、一人暮らしにおすすめの商品について聞いてみました。
長く大切に使ってもらえる商品を国内外からセレクト!
「MIGRATORY」の商品は、日本だけでなく、世界各地からセレクトされたもの。手仕事ものの雑貨や日本の伝統工芸品、器など、どれも平岡さんがこだわって選んだものばかりです。
平岡さん
今のライフスタイルに合うものでありながら、5年後も10年後も変わらず使い続けることができるものを選ぶようにしています。また、時間とともに経年変化を楽しんでもらえるようなものであることも、セレクトするときの基準のひとつです。
MIGRATORYでは商品のセレクトだけでなく、陳列にもこだわりが! たとえば、手ろくろでつくられた、少しいびつで手仕事感が残る器の隣には、型で成形された整った形の器を置くなど、形や素材の違うものが配置されています。あえて同じテイストのもので固めずにディスプレイすることで、それぞれの商品が引き立って見えますね。
お店のコンセプトの根底にあるのは、テイストの垣根をつくらない自由なライフスタイル
MIGRATORYのコンセプトである「日々の暮らしに彩りを添える」。平岡さん自身、忙しい日々のなかでも、好きな食器を使ったり、好きな空間にいられる時間があれば、心が豊かになると実感しているのだそう。この考え方のもとになっているのは、さまざまな国の、多種多様なライフスタイルです。
平岡さん
たとえばデンマークでは、初任給に椅子やインテリアを買うという習慣があり、自分と時間を日々ともにする「もの」や「空間」をとても大切にしています。また、インド・ベンガル地方などで伝わる伝統的なカンタ(刺し子)では、古くなったサリーなどを何枚も重ねて刺し子刺繍を施し、敷物や赤ちゃんのおくるみなど、生活に必要なものへと再利用する習慣があります。日本も含めてその国々で大切にされている多様な文化には共感することも多く、影響を受けました。
時間を重ねるごとに味わい深くなる、箱根寄木細工
そんなお店のコンセプトを象徴する看板商品のひとつが、伝統工芸士・金指勝悦さんの箱根寄木細工。なかでも平岡さんが熱く魅力を語ってくれたのは、今年(2020年)生産がいったん終了してしまうという、まん丸な形が特徴の一輪挿しです。写真左は、平岡さんが金指さんから譲り受けたという40年ほど前につくられたもの。日の当たり具合などにもよりますが、時間を重ねるごとに色がどんどん変化していくそう。現在販売されている右側のものと比べると、色の違いは一目瞭然ですよね。
平岡さん
商品は一切着色されておらず、ケヤキやエンジュなど、さまざまな種類の天然木材からつくられています。また一点ものなので、色や形が全く同じものはありません。手づくりなのに、プロダクトのような美しさがあって、丁寧に作られていることが伝わってきますよね。MIGRATORYでは、こういった経年変化や丁寧な手仕事が感じられるような商品を大切にしていきたいと思っています。
一人暮らしのお部屋で実践できる! 空間づくりのコツ・おすすめ商品をご紹介
日々生活をともにするインテリアたちは、自分と時間を共有する大切な存在。だからこそ、「早い段階から、自分が使っているものはどうやってつくっているのか、どういう人がつくっているのか、ぜひ興味を持って調べてみてほしい」と平岡さんはいいます。
一人暮らしの生活のなかでも、日々使うものをこだわって選んだり、居心地のいい空間で過ごしたり、少しでも豊かな生活を送りたいですよね。そこで、一人暮らしでも実践できるお部屋づくりのポイントとおすすめの商品を、平岡さんに教えてもらいました。
平岡さん
一人暮らしのお部屋では、ぜひ壁面を有効活用してください! たとえばフォトフレームなどは、形違いや大きさ違いのものをいくつかつけると、お部屋が少し洗練された雰囲気に。このフレームは試験管がセットになっていて、ドライフラワーや生花を飾ることができます。飾る花を変えるだけでも、お部屋の雰囲気ががらりと変わりますよ。
ではさっそく、一人暮らしでも取り入れやすい商品をご紹介。見た目の可愛らしさはもちろん、どんな場所で、どんな人たちがつくっているのかを知れば、さらに愛おしく思えるようなものばかりです。
洗いをかけるほど手になじむ、フィンランド製のキッチンタオル
こちらは、フィンランドのテキスタイルブランド・ラプアンカンクリのキッチンタオル。絵柄は鹿児島 睦(かごしままこと)さんがデザインしたものです。一度洗い加工されたウォッシュドリネンで作られているので、肌触りがよく、吸水性・速乾性も抜群! キッチンタオルとして使うのはもちろん、目隠しとしてかごにかけるなど、さまざまな使い方ができますよ。
ヒーリング効果あり! キラキラ輝くサンキャッチャー
伊豆の作家・Rainbows Works(レインボーワークス)が手掛けるサンキャッチャー。強い光が当たるとガラス内部に光が拡散され、虹色の光がお部屋に広がります。また、なかに水を入れると光の輝きがさらに強くなるそう。一輪挿しとしても使用することも可能です。
平岡さん
カーテンレールなどにS字フックを掛け、そこに付属のテグスを引っ掛けるだけで簡単に取り付けられるので、一人暮らしのお部屋にもおすすめです。カーテンを開けたときに、朝日が当たるととてもきれいですよ。お部屋にひとつあるだけで心が安らぎます。
コーヒー好きにおすすめ! 革製のコーヒーペーパーホルダー
こちらのコーヒーペーパーホルダーは、大阪の河内長野にある工房「Teha'amana(テハマナ)」でつくられています。壁に掛けられるよう、紐がついているのもうれしいですよね。ついつい引き出しに入れっぱなしになっているコーヒーフィルターを、おしゃれに収納してみませんか?
平岡さん
お家時間が長くなり、一人暮らしでもゆっくりコーヒーを楽しむ人が増えたと思うので、おすすめしたいアイテム。革でできているので、色などが経年変化していくところも魅力です。コーヒー好きの方にプレゼントしたら喜んでもらえるはずです!
カラフルなやちむんで、食卓が一気に明るく!
沖縄の方言で「焼き物」を指すやちむんは、MIGRATORYでも人気がある商品です。ぽってりとした形と力強い絵柄が特徴のやちむんですが、「一翠窯(いっすいがま)」という工房でつくられている、一味違うデザインのものもおすすめ。北欧デザインのようなモダンさと、バリエーションの豊富さが魅力です。
平岡さん
スーパーなどで買ってきたお惣菜をこのお皿に盛りなおすだけで、食卓の印象が一気に変わります。柄違いや色違いで何枚かそろえていただき、友人を招いたときなどに取り皿として使うのもおすすめ。スタッキング(積み重ねること)ができるので、収納スペースが狭くても安心です。
使われているのは、100年前のインドの布! 一点もののコースター
色も柄も大きさも一枚一枚異なる、インドのヴィンテージカンタのコースター。「カンタ」とは、インドの工芸刺繍のことで、古くなったサリーなどを縫い合わせてつくられます。このコースターで使われているのは、100年ほど前につくられたカンタの古布。使える部分のみを切り取ってつくられました。柄の違う布が裏表で貼り合わせられているので、リバーシブルで使うことができますよ。
平岡さん
古くなった布を再利用してずっと使い続けるという、インドのものを大切にする文化は、日本とも通じるところがありますよね。コースターはリーズナブルな価格で気軽に手に入れることができますが、背景を知るとより愛着がわき、ずっと大切にしたくなるような商品です。一点ものなので、「これだ!」と思うような一枚をぜひ探してほしいです。
まとめ
「背景を知ることで、ものの見え方が変わるということをぜひ知ってほしい」と平岡さん。MIGRATORYに足を運べば、長く、大切に使いたくなるものがきっと見つかるはず。これからの時間をともに過ごす、「相棒」になるような一点を、ぜひ探してみてください。
※価格はすべて税込み
※商品は数に限りあり、完売する場合もあります
※この記事は10月時点の内容です
※営業日や営業時間は変更となる場合があるため、お出かけ前に公式サイトにてご確認ください
※商品は数に限りあり、完売する場合もあります
※この記事は10月時点の内容です
※営業日や営業時間は変更となる場合があるため、お出かけ前に公式サイトにてご確認ください