今回は、エアコンの各機能をどう使い分けるのかを解説します。一人暮らし、蒸し暑い部屋。不快指数を少しでも下げたい……。そんな時、一番に活躍する冷房器具はエアコンです。
エアコンには、ほぼ全ての機種に「冷房」「除湿」「送風」というモードがあります。「部屋の温度を下げるなら冷房しかないよね? 他のこれって何?」と思う方も多いのではないでしょうか。
エアコンの除湿と冷房の違い
冷房運転
真夏で気温が高く、室温も高い場合に有効なのが冷房運転です。
冷房運転ではコンプレッサーで圧縮された冷媒によってエアコン内部の熱交換器が冷やされ、そこに空気を送って冷風を出しています。とにかく部屋を冷やすための運転を主眼においているため、しっかりと部屋が冷えていきます。
除湿運転
除湿運転の場合は少し異なり、ジメジメした季節などに空気中の水分を減らすための運転を行います。
理科の話になりますが、空気中の水分は温度が下がると溶け込める水分量が減っていきます。つまり部屋を冷やすと溶け込めなくなった水分が水滴となって現れてくるのです。暑い日に自販機で冷えたジュースを買うと水滴が付いていますよね?それは、外気の水分が冷えた缶ジュースによって、周りの空気が冷やされ溶け込めなくなった水分が付着しているからです。
つまり除湿運転は部屋の空気を吸い込んで冷やし、その時発生した水分を外に繋がったホースで放出し、サラサラになった空気を室内に戻すという仕組みなのです。冷やされた空気を室内に戻すため、徐々に部屋の温度は下がっていきます。
除湿方式には2タイプ
最近の上位機種のエアコンには、この戻す空気を温め直して部屋の気温を変えずに、湿度だけを下げてくれるという方式を選べる製品もあります。
それぞれを弱冷房除湿、再熱除湿と呼び、弱冷房除湿は電気代がかかりづらいですが肌寒く、再熱除湿は部屋の気温を変えづらいですが電気代が少しかかります。
エアコンの除湿と冷房、送風を上手に使い分けよう
どういう風に使い分けたら良いのかをそれぞれ見ていきましょう。
除湿が最適なとき
快適な湿度の目安は人によって多少違いはあれど、空調メーカーダイキンの発表によると、およそ40-60%です。(参照:https://www.daikin.co.jp/naze/setsuden/action_02.html)
それを下回ってしまうと、ウィルスが活性化して、発病リスクが増加したりします。
また、湿度がそれより高いと部屋が結露し、カビが繁殖しやすい状態になってしまいます。布製品や布団などを触るとしっとりしているように感じたり、床がペタペタ微妙に濡れているように感じたりするなど、不快度が非常に高まります。そうならないために、除湿運転を活用すると良いでしょう。
冷房が最適なとき
大手空調メーカーのダイキンが公表している適温は、夏場は26-28℃、冬場は20-22℃です。(参照:https://www.daikin.co.jp/setsuden/home/winter/4.html)
部屋が暑すぎると熱中症のリスクが高まりますし、常温保存ができる食材も傷みが早くなるなど、良いことはあまりありません。
冷房運転の際に電気代を抑えるコツとしては、エアコンの設定温度を下げて急速に冷やして電源をこまめに消すのではなく、26-28℃の範囲に温度を設定して長時間運転をすることです。設定温度を低く設定して急激に部屋を冷やすと、寒暖差から体調を崩す原因になってしまいます。
冷房が効きすぎていると感じる場合は設定温度を見直しましょう。
送風が最適なとき
送風の使い所は、部屋の換気を行ったり、少し暑いと感じたりする場合です。
人間は身体に風が当たると体感温度が下がり、涼しいと感じるようになっています。これを利用して送風運転で風を当てることにより、電気代を抑えて涼を取ることができるのです。
エアコンは扇風機に比べて広範囲に風を行き渡らせることが可能な出力のものが多く、効率よく風を循環させられます。
また、送風モードは窓を開け放して部屋の空気を入れ替えたりする場合にも有効です。こまめな換気を行うことにより部屋の生活臭を追い出し、臭いのこもりづらい環境にすることが可能です。
一人暮らしの場合はとくに締め切ってしまいがちですが、換気を意識するだけで清潔感が変わってきますよ。
まとめ
冷房運転と除湿運転の両方を上手に使用することにより、より効率的に素早く部屋を快適にできます。ぜひお試しください。