エアコンはつけっぱなしが効果的? 夏の電気代節約で知りたいほんとのところ

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暑い夏を乗り切るためにエアコンを使用する……その際やはり一番気になるのは電気代です。特に議論されるのが「エアコンはこまめに消したほうが良いのか、つけっぱなしが良いのか」という点。今回はその疑問も含め、エアコンの電気代あれこれについて見ていきたいと思います。

エアコンの電気代について

皆さん当たり前のように使用しているエアコンですが、一度の運転でどの程度の電気代を消費しているかご存知でしょうか?
ここでは例として「学校や仕事から帰ってきて外気温30℃、寝るまでの6時間25℃設定の冷房運転」を考えてみます(電気代は主要電力会社の平均値である1kWh=27円で計算)。

例1:パナソニックXシリーズ「CS-X289C」の場合
1時間あたりは…27(円)×0.515(消費電力)=13.905(円)
6時間使用で…13.905(円)×6=83.43(円)

これはかなり省エネよりのモデルです。
本体の価格を抑えた省エネ性の低いモデルを選ぶと……

例2;パナソニックFシリーズ「CS-F289C」の場合
1時間あたりは…27(円)×0.770(消費電力)=20.79(円)
6時間使用で…20.79(円)×6=124.74(円)

なんと、41.31円もの差が出ました。
もちろん運転環境なども絡んでくるのであくまでも概算ですが、決して大げさな数字ではありません。
1日で41.31円の差と言うことは10日で413円、3ヵ月(30日×3)で3,718円の差に…!
グレードによっても様々ということは覚えておきましょう。

エアコンのつけっぱなしはどのくらいがコスパ最適?

Air Conditioner Ac Cool - Free image on Pixabay (25441)

よく議論される「エアコンつけっぱなしVSこまめに消す」ですが、実を言うと部屋をどのように使用しているか、滞在時間はどれくらいかによって異なります。
細かな比較の前に、両者のメリット・デメリットを簡単にまとめました。

つけっぱなしの場合のメリット・デメリット
メリット
・部屋に帰ってきて心地よい温度になっているため、居心地が良い
・つけっぱなしであるため消し忘れるという精神的ストレスがない

デメリット
・人がいない時間が多い場合は無駄が多い
・フィルターの汚れる速度などが早い

こまめに消す場合のメリット・デメリット
メリット

・電源を切っている間は電気代がかからないため、精神衛生上落ち着く方も
・運転時間が短くなるためエアコン本体のお手入れが少ない

デメリット
・外出から帰ってくるとしばらくは部屋の不快指数が高い
・こまめすぎるとかえって電気代がかかる場合も

以下では両者の特性を考え、状況別に見ていきます。

夜から朝まで自宅にいる日

日中の8時から17時くらいまでは学校や仕事に行っていて、帰ってきてから特に出かけない場合です。一般的な方の平日をイメージしてください。
この場合だと朝出勤、通学をする前にエアコンの電源を切っておいたほうが節電になりやすいです。

日中室温が上がってしまいますが、それを少しでも防ぐためにカーテンをしっかりと閉め、部屋に当たる直射日光を減らします。そこを意識するだけで室温の変化は随分と変わります。
帰ってきてからしばらくは不快指数が高いですが、そこは我慢してうちわなどで頑張ったほうが節約になります。

日中何度か出かける日

休日などで1日に何度か外出はするものの、基本的には家にいるパターンです。
この場合はおおよそ1時間以上部屋を空けるのであればその都度エアコンを消したほうが節電になる場合が多いです。

エアコンは設定温度に部屋を冷やす間が最も電気を使用します。設定温度に達した後はそこまで多くの電気代を必要としません。
電気代の項で触れたパナソニックのXシリーズ「CS-X289C」を例に挙げると、目安電気使用量は先程の515Wですが、最小運転が110W、最大運転が1100Wです。部屋を設定温度まで冷やしている場合は1100W近く消費されており、目安電気使用量のおよそ2倍にもなります。

1回エアコンを消して部屋を冷やし直すには電気代が多くかかることがあるので、10-20分程度の外出であれば消さないほうが良いでしょう。一方、1時間以上不在にするのであれば、その間110W使うことを考えると、消してから後で冷やし直したほうが電気代はかかりづらくなります。
帰ってきたあとの冷房が効くまでに時間を要するので、その日の状況によってどうするか考えましょう。

1日家にいる日

休日ほとんど家から出ない場合は、設定温度を高めにして一日中つけるのが最も節約になります。
前項で述べたとおり、設定温度に達している部屋でエアコンを運転すると、電気代をかなり抑えられます。省エネ運転を行いながら暑い時だけ少しだけ設定温度を下げてまたすぐ元に戻しましょう。

夜だけ出かける日

休日に夜だけ遊びに行ったり飲みに行ったりする場合です。夕方ごろから4~5時間くらいの外出のイメージ。帰ってきたらすぐに寝ることを考えると、エアコンをつけっぱなしにするほうが身体への負担が少ないでしょう。

節電を考えると消していくのも良いのですが、疲れて帰ってきた部屋が蒸していてかつ熱帯夜だとすると、寝やすい室温になるまで結構待たなければなりません。つけっぱなしで出かけて帰ってきたらぐっすり眠れるほうが満足度は高まります。

朝帰りで夜型、夜勤の方

夜外出している時は消していても日中ほどは室温が上昇しないものの、帰ってきてからエアコンを使用すると部屋が冷えるまでにどうしても時間がかかります。
夜勤明けなどで帰ってきてすぐ寝る場合は、設定温度を高めにしておいて外出中もつけっぱなしが良いでしょう。帰ってきてからしばらく起きているのであれば、外出中は消したほうが電気代の節約に繋がります。

番外:夕立が来た場合

夕立などでいきなりゲリラ豪雨が来て、急に晴れることがあります。降り始めたらすかさず除湿運転へと変更しましょう。
ゲリラ豪雨が止むと急激に湿度が上がってきます。除湿運転にすることにより、湿度を下げることを最優先するようになります。
湿度50%と湿度80%では同じ気温でも体感温度がまるで変わります。雨が降ったら除湿運転が鉄則です。

まとめ

エアコンは生活とは切っても切れない重要な生命線です。
全く使用せずに蒸し暑い日本の夏を乗り切るのは至難の業ですし、熱中症などのリスクも伴います。エアコンを適度に使用するのは何も悪いことではありません。それに、電気代もある程度は必要経費です。
ただ、今回紹介した使用方法を意識するだけでその費用をグッと浮かせ、そのお金を他のところにかけることが出来ます。皆さんも是非実践してみてくださいね。
プロ家電販売員 たろっさ

プロ家電販売員 たろっさ

プロの家電販売員 兼 家電ライター。 札幌市在住。33歳。趣味はゲームと電器屋巡り。 20歳から家電量販店で働き、年間2億円、11年で25億円を売り上げた。 家電でわからないものはない家電スペシャリスト。

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