引越しにかかる料金は業者や引越し時期によって異なります。そこで、料金が高くなる「繁忙期」と安くなる「閑散期」について解説し、料金相場や引越しを安く抑えるポイントを紹介します。また、繁忙期の引越しをスムーズに進めていく方法についてもまとめました。自分が使える時間や家族の協力を得られるかなど、実際の状況を具体的に把握して、引越しの準備を進めていきましょう。
引越しの繁忙期は3月
引越し業者にとって3月は「繁忙期」にあたります。逆に、あまり忙しくない6月や10月〜11月が「閑散期」です。
4月から新年度が始まるため、大学進学で一人暮らしを始める人や、就職を期に今住んでいる場所から引越しをする人がいます。また、単身者は部署移動、転勤などに選ばれることが多く、引越しをともなう場合もあります。
進学であれば、早い人は12月頃には進路が決定しますが、国立大学を第一志望にしている人では3月上旬の合格発表が出てからの引越しになるでしょうし、卒業を控えた在校生の引越しも2月、3月に動くと考えられます。また、既に社会人として働いている人も、企業や官公庁の場合、人事異動の内示は早くて1ヶ月前、遅い場合だと1週間前に行われるため、どうしても3月の引越しが多くなるのです。
つまり、引越し業者から見れば3月は「何もしなくても依頼がたくさん入ってくる」状態ですが、お客さんにとっては「少し高くても早めに引越しを済ませたい」という状態です。そのため、3月は一般的に引越し料金が高くなります。
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繁忙期の引越しは早めの申し込みが肝心
重要なのが、新年度の予定が決まるタイミングです。2月以降に新年度の予定が決まった場合は、引越しに向けて迅速に行動する必要があります。一方で、近年は推薦やAO入試が活発になってきているので、大学がもっと早く決まる場合もあります。そのような場合も、できるだけ早めに住まいを押さえておくようにしましょう。
単身の引越し料金相場
引越し料金体系の構造を確認してみましょう。
引越し業者は、「基本料金+人件費+オプション」によって価格提示をしています。引越し費用には標準価格があり、「標準引越運送約款」という国土交通省が定める約款をもとに料金を算出しています。
引越し料金相場 | |
---|---|
100km超え110kmまで | 2,270円~47,350円 |
141km超え150kmまで | 29,230円~55,270円 |
190km超え200kmまで | 34,480円~65,220円 |
また、料金の仕組みは「時間制」か「距離制」に分かれています。荷物を移動する距離が100km以内であれば「時間制」、100km以上であれば「距離制」となるため注意が必要です。
引越し費用を安く抑えるコツ
早めに申し込む
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荷物の量を少なくする
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単身パックを利用する
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休日ではなく、平日に引越す
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繁忙期の引越しをスムーズに終わらせるためには
梱包後も何が入っているかわかるようにすると安心
①持っていくものと買いそろえる物のリストアップ
まずは、引越し先に持っていくものと引越し先で買い揃えるものをリストアップします。既に一人暮らしをしている単身者の場合は、これらの事前準備を一人で行うことになるので、余裕を持って進めることが大事になります。
②どの部屋で使うものか決めておく
持っていくものをそれぞれ新居のどこで使うのか(部屋やキッチン、洗面所など)を考えながら荷造りをすれば荷ほどきがスムーズです。また、部屋のレイアウトが決まっているようなら、家具を置く予定のないスペースに荷物を置いてもらうと、荷ほどきがしやすくなります。余裕があるなら部屋のレイアウトまで考えておくと良いですね。
③梱包は使用頻度の少ないものから!
梱包の際は引越し先に持っていくものは、使用頻度の少ないものから段ボールに梱包します。その際、段ボールの天面と側面に、中に入っているものを記載しておきます。こうすることで、開封する順序の計画が立てられ、作業がスムーズになります。
壊れやすい荷物や丁寧に扱ってほしい荷物は、「ワレモノ」などと朱書きしておくと安心です。100円ショップに「取扱注意」のシールが売っている場合もあるので、それを貼り付けるのもよいでしょう。そうすることで業者さんも丁寧に扱ってくれるので、繁忙期で慌ただしいときにも、箱を開けたらものが壊れていたなどというトラブルを避けることができます。こうして梱包できた荷物は、できるだけ運び出しやすいところにまとめておきます。
④新しく買う大型家電や家具は引越し先で購入
洗濯機や冷蔵庫などの大きい家電を新たに買う場合は、引越し先で購入し、設置までお願いすると、荷物がコンパクトになります。配送・設置をしてくれるかを最寄の店舗に確認したり、インターネットで購入する際は設置してくれるかをよく確認して購入すると良いでしょう。
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荷物が少なければ引越し業者以外に頼むのも手
積み込む荷物がコンテナの規定サイズ以上になると2台目に積み込まれることになり、料金が倍かかってしまいます。見積もりでは1台だったのに2台分の料金になっていた等、トラブルになりやすいので、引越しの手間を省くためにも荷物はできるだけ少なくします。
コンテナに積めなかった分は、宅配便で郵送してしまうのも手です。宅配便なら繁忙期かどうかはあまり関係なく、料金一律で荷物が送れます。
荷物が全てダンボールに収まり、大型の家具家電は購入後新居に届くことになっているなら、宅配便で荷物を送ったほうが料金が安いこともあるので、どういったサービスを使って引越しをするかも、よく考えてみるとお得に引越しができるかもしれません。
まとめ
やむを得ず、繁忙期に引越しをするのであれば、早めに引越し業者に問い合わせて予定を押さえるようにしましょう。引越しが初めてという方だと、不安になることもあるかもしれません。しかし、入学準備の時期は大学に窓口が設置されているケースもありますし、不動産屋さんに相談することもできます。困ったときは、遠慮せず周囲に頼ることがおすすめです。
(公認 不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士)
不動産会社にて仲介、収益物件管理を経験した後、国内不動産ファンドでAM事業部のマネージャーとして従事。社団法人GINAとして海外事業にも参画。