引越しでエアコンはどう持って行く? 取り外し・取り付けは自分でやるの?

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引越しのとき、エアコンの取り付けや取り外しはどのようにしたらいいのでしょうか。この記事では、エアコンを引越し先へ持ってこうとしたときに、自分でできるものなのか、業者に頼むとしたら費用の相場はどれくらいになるのかなどをご紹介します。移設する上での注意点や、置いて行きたい場合にどうしたらいいかなどの情報も併せてお伝えします。

エアコンは自分で外して持って行ける?

自分で取り外すのはNG

エアコンの室内機は住宅の壁に固定してあり、配管で壁の穴を通して室外機とつながっているので、素人では簡単に取り外しができません。もし無理にやろうとして壁などを傷つけると、弁償しなければならなくなります。そのため、引越し時のエアコンの取り外しや取り付けは、業者に任せたほうが無難です。

特に取り付けの際は、エアコン運転時に発生する水を抜くための配管も必要になります。取り付けがうまくできず水漏れを起こしたら、エアコンが故障したり周囲のものが水浸しになったりするので注意しましょう。

買った電気店は基本的に新しく設置するときだけ

エアコンの取り外しと取り付けは、どこに依頼すればいいのでしょうか。
購入した電気店に頼もうと思っても、引越し時のエアコン取り外しサービスをしているところはほとんどありません。基本的に、新しく買ったエアコンを取り付けてくれるだけです。

そのため、引越し業者へエアコンの取り外し・取り付けを依頼することが多いです。依頼された引越し業者が、外部に委託することもあります。あるいは、エアコンの取り外し・取り付けだけを自分で専門業者に依頼することも可能です。

エアコンは置いて行っても大丈夫?

引越しと同時に新しくエアコンを購入される方もいるでしょう。そのような場合、古いエアコンをそのまま部屋に置いて行くことはできるのでしょうか。

大家さんが了承すれば置いていってもOK

原則として、退去の際には借りていた部屋を元の状態に戻さなければなりません。壁や床などを破損していれば弁償することになりますが、エアコンについても同様です。無断で置いて行くと元の状態に戻していないと見なされるため、あらかじめ大家さんにその旨を伝えて了承を得る必要があります。

了承を得てエアコンを設置していた場合であれば、退去時に借地借家法33条の造作買取請求権を根拠にエアコンの買い取りを請求できます。ただし、造作の取り付けに同意していたとしても、賃貸借契約書に造作買取請求権を排除する特約があるとエアコンの買い取りは請求できないので注意しておきましょう。

置いていけない場合は業者に引き取ってもらおう

新居にエアコンを持って行かず、置いていけないのであれば、買取業者や専門業者に引き取ってもらう方法もあります。いくらかお金になるかもしれませんし、処分費用がかからない分、無料で引き取ってもらえるだけでもお得です。ただし、無料と言っていたのに、後で高額請求されたという事例もありますので、業者選びには気をつけましょう。

処分するしかない場合は、取り外し料金に加え、リサイクル料金や運搬料金がかかるので注意しましょう。リサイクル料金は1,000円からで、製品によって異なります。

エアコンは買い替えと移設、どちらがいい?

エアコンの買い替えは、本体の購入費用がかかるため割高だと思っている人もいるかもしれません。しかし、取り付け費用が無料の家電量販店も多く、意外と費用を抑えることができます。

エアコンの移設は、本体の購入費用がかからないものの、引越し費用に取り外し・取り付け費用が上乗せされるため、思っているよりも費用が高くなる場合があります。5年以上使っているエアコンの場合は、移設しても途中で壊れる可能性があるほか、省エネ性能が低い可能性があるため、買い替えを検討するのも1つの選択肢といえるでしょう。

エアコンは引越し業者と専門業者どちらが安い?

エアコンの取り外し・取り付けを、引越し業者と専門業者のどちらに依頼したほうが費用を抑えられるか、気になっている人も多いのではないでしょうか。実はどちらに依頼しても、費用に大きな違いはありません。しかし、引越し業者が繁忙期の時期は、エアコンの取り外し・取り付け費用も割高になっている可能性があるので注意が必要です。状況に合わせて業者を使い分けましょう。

エアコンの設置・取り外しのトラブル

次の引越し先にエアコンを持っていくにしても、注意が必要です。まずは取り付けできるかどうかを、事前に必ず大家さんや不動産屋に確認しましょう。物件によっては、壁にエアコンの配管用の穴がないことがありますが、許可なく壁に穴を開けるとトラブルになるので注意してください。必ず許可を得てから工事の手配をしましょう。
退去時には配管の穴などの原状回復が必要になるので、どの程度の修繕が必要かも事前に確認しておくと安心です。

エアコン移設の注意点

エアコンの取り外しと取り付けを任せる業者とのやり取りにも注意が必要です。引越し先でのエアコン取り付けに追加の部品や工事が必要になると、想定していたよりも費用がかかることがあります。予想外の料金を請求されて困らないように、引越し先の状況を細部までしっかり伝えて、正確に見積もりをしてもらいましょう。

エアコンの設置・取り外しにかかる費用の相場は?

エアコンの取り外し、取り付けにかかる費用はどれくらいなのでしょうか。通常、取り外しと取り付けで10,000円~20,000円程度というのが専門業者の相場です。ただし、この料金に搬送料は含みません。

取り付けのみの場合、エアコンの容量によっても料金が変わりますが、新品でおよそ13,000円前後からです。ちなみに、中古の場合は10,000円前後が相場です。取り外しのみだと、5,000円~8,000円くらいが相場となります。

また、エアコンの取り外し・取り付けの標準工事だけでなく追加工事が発生すると、追加費用がかかることがあります。
標準工事とは、新品で買ったエアコンを取り付けるのに必要な工事と同様の内容です。配管や配線などの部材費も含んだ料金が設定されています。室内機と室外機をつなぐ配管の長さが足りないことがあったり、配管に化粧カバーをつけたり、エアコンを取り付けるためにコンクリート壁へ穴を開けたりすることもあるでしょう。こういった作業が、追加工事費として別途請求されます。
追加工事が必要かどうかは引越し先の状況によるので、見積もりを取ってから工事を依頼しましょう。

まとめ

引越しの際、自分でエアコンを取り外したり取り付けたりするのは手間とリスクが伴うので、極力引越し業者や専門業者に依頼しましょう。賃貸にはじめからエアコンがついている物件だと楽ですが、そうでなかった場合、つけるにしても後ではずすにしても大家さんにしっかり相談しておくことが大切です。
お世話になった大家さんとトラブルにならないよう、しっかり確認してスマートに引越しをしましょう。
監修:矢野翔一
暮らしやお金のアドバイザー

宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP) 関西学院大学法学部法律学科卒。 数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を手掛ける。引越しや住宅ローンといった暮らしやお金の様々な悩みに対してアドバイスを行う。

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